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戯言私信
絵をかいたり日記だったりまぁとにかく色々かきます。
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2008-08-02 [Sat]
あ、一番はケータイ日記に書いてしまったなぁ…

そんなこんなで不定期28お題。
がんばるっす!



仁王柳生の28のお題




「………きみは ダレですか…?」

【初対面】


僕は白銀の髪をした少年に名前を与えられました。
白銀の彼は仁王くん。僕の幼なじみだよ、と教えてくれました。
僕は柳生比呂士と言います。
彼が教えてくれた僕の忘れてしまった名前です。

「ねぇ仁王くん」

彼は記憶を失ってしまった幼なじみを見ても驚いた風体ではなく、ただ寂しそうに「おはよう、比呂」と僕の頭を撫でました。
冒頭のように訊ねれば、仁王雅治、覚えてな?とその時初めてほんの少し笑ってくれました。
『におう、くん?』
小首を傾げて呼べば辛そうに『…ん?』と返事をしてくれました。目を覚ましたそこは白い世界でした。ふと改めて回りを観察し、そこで壁紙もロールカーテンもドアもほぼ白に近い家にいることに気が付きました。自分の肌より薄い色のフローリングに素足をくっつけて立ち上がろうとしたら、急に力が抜け彼に支えられ初めて立ったのです。
『ここは何処?どうして僕は、』
『比呂、落ち着いて聞いてくんしゃい。な?』
僕は彼の話を全て信じる事にしました。だって、もしそれが真実じゃないとしても僕に真実を教えてくれる人は仁王くん以外、誰もいないのですから。

「んん?なんじゃ?」

仁王くんは僕の幼なじみだと言いました。中学からずっと一緒だったのだと。
僕は信じました。
仁王くんは僕に肉親がいないのだと言いました。仁王くんもいないのだと言いました。
僕は信じました。
仁王くんはずっと僕とふたりでこの家に住んでいるのだと言いました。
僕は信じました。
僕は、彼の全てを信じました。まるで刷り込み現象のようだと彼が笑いました。僕は彼の笑顔が好きです。

「ひとつだけ でも あなたを信じてないんです」

彼がひどく 悲しそうに 微笑みました。

「僕は本当にあなたの友達だったんですか?」

「………どういう意味?」
仁王くんは今まで僕に向けていた柔和な表情をやめて、これが彼の本来の表情なのだろうという一見して冷酷な印象の表情をしました。いえ、そう、戻ったのですね。
「そのままの意味です。いくら友達とは言ってもこの距離は近すぎませんか?」
男ふたりで同居。ルームシェアとはまた違い、本当にここにずっと住んでいるかのような。
そう、だって、仁王くんは、おそらく働いていないのに。年齢から言えば大学に通っていても良い頃合なのに、彼が出かける先は決まって買い物くらい。たまにふらっと僕を連れて小旅行をしてくれるくらいで。
「俺と二十四時間は嫌だ?」
「嫌じゃないです。ただ、知りたいだけです」
「何を?」
「仁王くんを」
「俺を?」
は、と鼻で笑って彼は僕の隣に座りました。「比呂、なんも心配せんでよかよ。俺がお前といたいだけ」何かが仁王くんを曲げている気がしました。歪めているものが彼の隠しているものだと思いました。
「しんじて?」
「はい、信じてます」
あなたがそう望むのなら。僕はいつだって。




「うん、それだけで良いの」

どうせ消えてしまう記憶なのだから。
仁王はゆっくり昔とは変わってしまった幼なじみを抱き締めた。
柳生が彼として目が覚めたときから幾度と無くしてきた行為に彼は不思議に思わず、反射的に俺の背中に手が回された。外からの情報を絶ってもうどのくらいか忘れた。テレビもラジオもケータイもそんなものは必要ない。俺に必要なのはふたりで生きれるだけの金。この家。そしてお前だけだ。
「仁王くん」
何もかも忘れたのにその呼び方だけは変わらない君は長期間記憶を留めておく事が出来ないのだと言う。
まるで人生を何度も繰り返しているかのようにひとつひとつを覚えたところで死んでしまう。リセットされた彼はまた一から俺が教え込むのだ。嘘と真実を。
「ひろ、約束だから。ずっと一生、傍におるから。俺約束守ってるから」
「? はい」

『私はもう仁王くんを忘れていくことしか出来ない』

あの時あいつが流した涙に縛られたままの俺は、ずっとあいつとの約束を守り続けてる。
だって、柳生のことが出会ったときからすきだったから。
『俺を忘れても良い。お前自信のことも忘れて良い。だから、一緒に居させて』

近いのに遠い。




翌朝、目が覚めてカレンダーを見る。もう癖になってしまった。
「…もうこんなに経ったんか」
横に眠る彼の頬を撫でて、静かに涙した。
さようなら、比呂。

「………ん、…」

「比呂」
色素の薄い瞳が俺を捉え、じっくり数十秒かけて彼は観察した。不思議そうに、

「ダレですか…?」

小首を傾げて不安そうに戸惑う彼の頭を習慣のように優しく撫でる。

「初めまして、比呂」




*****
…消化不良。イメージはめっさ出来てたんですが。いざ言葉にしようと思うと訳わからんくなってしまいました。
裏設定で生活資金は比呂くんの親から出してもらってる設定があったんですがどうも入りませんでした。
もう少し僕に表現力というものが備わったらもう一度書きたいです。書き直し今からしたいってどうなの、と思いつつ。
ちなみに病気について詳しくないので、気にしちゃいけませんよ。



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