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戯言私信
絵をかいたり日記だったりまぁとにかく色々かきます。
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2024-04-29 [Mon]
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2009-03-20 [Fri]
ふっつーでした。やっぱり喋らない人とは喋らず、仲良い人とは遅くまで喋ってみたいな。

おとこのこはわかりませんな…。すごい変わってましたね。背高くなってた。
V系ぽくなった人には笑ったけどwwいいと思うよ、V系。ぼくは好きだよ。
おんなのこは化粧で変わったかな、くらいですね。あと髪染めたり。似合ってなかったな、あのこ…。小学校から一緒なのにそんなに喋ったことないけど。まぁたぶん関わらない。ぼくはきゃっきゃできるタイプじゃない。うん。

そんな同窓会の感想(*^^)v
やっぱりめんどくさい。
煙草吸ってる奴見ると「粋がってんじゃねぇよ」くらいには思います。鼻で笑いたいですね、笑ってたけど。格好で吸ってる奴はまだまだおこちゃまだね。
いつかまた会ったときに中毒になってたら本気で笑って貶してあげよう。




仁王柳生28のお題

ひさびさお題…!あいかわらずテニスに浮気すみません。思えば春コミもテニス他三昧でした。


【髪】

あたしが小学生の時に両親が離婚して母親に引き取られて、随分と弟達の面倒を見てきた。就職した時にはもう母は違う男の人と再婚していて、あたしはもう弟達の面倒を見ることはないのだろうと思った。中学生になった上の弟は小生意気でカッコつけ、下の弟は多少おっとりしていて素直で良い子だ。ふたりともそれぞれに可愛くて、でも手間のかかる子達で、あたしは母に迷惑もかけたくなかった。心がいっぱいいっぱいになっていた時に救ってくれた男が今の旦那だ。あたしは彼に返しても返しきれない恩がある。
彼と結婚してあたしは家を出た。
その頃には弟達は中学二年と小学六年だった。下の弟はともかく上の弟はもうなんでもひとりで出来る歳になった。あのこが高校へ進学しようと就職しようとあのこの勝手だと思った。家を出る前になにかあったら相談乗るからな、と言うと恥ずかしがって弟は、するかボケ、と頬を染めて吐き捨てた。我ながら良い性格に育てたものだ。頭をぐりぐりしてから去った。
しばらくしてその、するか、と吐き捨てた弟から電話があって進路の相談かと油断していたら、まさかの恋愛の相談でこのこはいったいどうしてしまったのだろう、とつい目を丸くしてしまった。
見目だけは麗しい弟は女の子だけは困らなかったようで、あのこに恐らく愛はないのだろうけれど、初体験すら中学の初めには済ませていたようだ。愛の無いセックスはダメだ、といくら言っても聞かなかったこなのだ。そんなこが「初めてすきになったかもしれん」と意気消沈した声で呟く。更に続いた言葉にあたしは思いがけず、コップを落としたくらいだ。

「しかも俺…男を好きになったみたいなん…」

あたしは別に、そういったことに偏見はない。女の友人にもバイの子がいた。しかし、処女キラーのあのこがまさか本気で恋に落ちたのが男だとはそんなこと夢にも思わなかった。弟はこんな相談姉貴にしか出来ない、と随分可愛い事を言う。珍しく素直な弟にあたしと旦那は尽力を尽くした。弟も、想い人――部活のパートナーらしい――に積極的に近寄り、親密になり、およそ二年程の片想いを成就させた。その頃にはもう中学を卒業して高校へ恋人と同じ所へ進学した。下の弟は上と同じ中学に通い、同じテニス部で頑張っているという。

あたしはというと、子どもが産まれ育児に追われる日々を過ごしている。
今日は弟がその恋人を紹介してくれるというから家で子どもと一緒に待っている。弟の性癖を理解してくれその上協力してくれた旦那は、弟が会いたがっていたけれど残念ながら今日はお仕事。旦那も残念がっていたっけ。
―――――ピーンポーン
チャイムが鳴って、はいはい、と玄関を開けるとずいぶん逞しくなった弟が照れくさそうに立っていた。あたしが昔冗談で染めてやった髪の色をまだ保っているのか。ぱっと見ビジュアル系だな、と笑ってやると、うるせぇよ、と昔のように口の悪さをぐりぐりと拳骨で叱ってやった。
ふと弟の後ろを見ると、男にしては可愛らしく華奢な体つきの真面目そうなこが立っていた。眼鏡だと聞いていたけれど、つい最近コンタクトにしたらしい。頬を染めてにっこり微笑み、初めまして、と言う姿は確かに綺麗だった。どんな女の子よりも大和撫子らしい。
「柳生比呂士といいます」
「あ、うん、雅治の姉で貴子っていいます。たかちゃん、て呼んでね」
「呼ばんくてえぇからな、比呂。コイツんことはたかこでえぇから」
また口喧嘩を始める姉弟を見て柳生くんは目をきょとん、とさせ、それから楽しそうに羨ましそうにその光景を眺めていた。

「仁王く…雅治くんの髪って貴子さんが染めたんですよね?」
「そうよ。あいつが生意気にも髪染めたいって言うから、あたしが染めてやったの」
のんびりとしたおやつの時間帯に、あたしは柳生くんと机を挟んで向かい合って話していた。雅治は子どもと遊んでいる。あたしにとってどっちも似たようなものだ。雅治も、あたしの子どもも。両方あたしが育てたのだ。可愛くない訳がない。
「何故あの色だったんですか?」
柳生くんがお茶の入ったカップに口をつけ、こくんと飲み込んだ。その姿さえ色っぽい。あたしは確実にあのこの姉だな、となんとなく思う。
「なんでだったかな。理由はあんまし無かったと思うんだけどね。雅治って普通っぽいもの似合わなそうじゃない? だからかな。あのこに似合うものを選んだつもりだったんだけど。柳生くんは嫌?」
少し意地悪をしてしまった。柳生くんは思いきり首をふって否定した。
「いえ!全然!似合ってます! 中学の時は僕風紀委員だったので雅治くんの髪を注意しなければならなかったんですよ。でも僕は彼に似合っていると思うし、黒髪でいなければならない理由もわからなかったので注意するのが嫌で仕方がなかったんです」
「あぁ、雅治言ってたな。風紀委員に怒られても柳生くんは怒らなかったって。そうゆうとこも好きだって」
「え、え、え…!!!そんな、僕なんて、全然、風紀委員失格でしたし…!」
顔を真っ赤にして慌てふためく姿はあのこが付き合ったどの女の子にも当てはまらなかった。純粋で可愛くて、素直で真っ直ぐなこ。柳生くんを見て雅治の一生の幸せを願ってしまう。どうかあのこが幸せに生きていけますように。
「柳生くんは可愛いなぁ。ウチにお嫁においで。あたしが可愛がってあげるよ」
「お、お嫁ですか…!?な、なんか違うような…!」
「あっは、かーわいいね。柳生くんはさぁ、雅治のどこを好きになったの?」
赤みの引かない頬を押さえて、恥ずかしそうに柳生くんが囁く。それは、どんな言葉よりも甘い睦言だ。
「僕は…彼の優しくて不器用な所が、好き、です。寂しがりやで甘えん坊でこどもっぽい彼の自由さに憧れていたんです…告白された時はすごくうれしかった」
今にも泣き出しそうな大きな瞳に涙をためてきらきら光る。柳生くんが嬉しそうに微笑む。
あぁよかった、と思う。
本当にこれであたしは弟達から解放されたのだ。
少し、物寂しいけれど。
弟が愛されている。それだけであたしはもう、十分だ。

柳生くんの笑顔にやっと肩の荷がなくなったのを感じた。

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