2008-01-07 [Mon]
がんばりたい。
【芽吹き】
こんなにふるえる弟を見るのは初めてかもしれない。
「ゆるし、…」
涙があとからあとから零れ落ちては、弟は小さな声で嘆願する。離して、と。
今日、弟が俺の友達と付き合い始めた。俺も付き合っている人はいるし、あいつは良い奴だし、良かったななんて心から思っていたのだけれど。
―――しゅうちゃん。僕すごいしあわせ!
そうきれいにほほえむ弟を見て何故か、そう何故か急に腹ただしく思えた。細い肩を力強く掴み、「いた…っ」と苦痛に顔を歪めて振り向いた双子の弟は、不思議そうに俺を見上げた。
俺に似ずに小さくて可愛くてほほえむ姿がとてもきれいな俺の大事な弟、ゆう。
その弟を組み敷いて性急にその柔らかな肌に唇を落とし、弟を攻め立てる。
「やッ、…!しゅう、ちゃん…、やだよ!」
精一杯の力で抵抗するも俺の力に敵うはずもない。
ふとももの内側をすっと撫でるとびく、と反応する。その体いつだって俺は
「―――――え?」
いつだって おれは?
「しゅう、ちゃん…?」
おそるおそる見上げてくる弟の頬は上気して涙の跡をいくつも残し、それでも俺を信じてるかのような目つきで。
「ゆう…?」
きょとん、と俺は弟に馬乗りになりながら彼を見つめた。 なんだろう、これ。
一体俺は何を考えていた?
いつだって 俺は ゆうを
弟を
「すき」
欲していたんだ
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