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戯言私信
絵をかいたり日記だったりまぁとにかく色々かきます。
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2024-05-16 [Thu]
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2007-03-16 [Fri]
例えば、嘘を信じていたら

十年来の親友であり恋人でもある彼はとても寂しがり屋だと思うんだ。なのに下手な意地を張って俺には「平気っスよ」とか言ってまたえへへと情けなく笑う。ありのままそうだ絶対このまんまお手本のようにそう言うに違いない。絶対、馬鹿だ。
だから俺はいっそ怒ってみようかと思う。
「―――獄寺くんっ」
「は、はい、なん、でしょうか、十代目…?」
目を白黒させる情けない君。どうしようもない君。寂しがり屋な君。強い君。優しい君。不器用な君。全てが君で、全ての君が俺に必要だとかもうそんな事一生言わない。死んだら言っても良いかもしれない。勿論天国で!
「今日は帰さないよ」
「ふ、ぇ、…へ!?」
ふぇってなんだよふぇって。
彼よりも身長は俺の方が小さいって言うのに、彼はビビりながら一歩引く。
ふふん、なんて不適に笑んでみて、これちょっと威厳ある気がする今度の取引で使ってみようか、と思う。わざときっちり締めていたネクタイも緩めてボタンもひとつふたつはずして。
…今の状態は上司と部下の関係ならこの図は合っていると思うけれど。残念ながら今は夜でプライベートルームの一室、二人きり。これじゃあ俺が彼を襲いそうな雰囲気だ。
「あ、ぁぁぁあの俺今日はホテルを取っていて、えぇとあの、明日の予定、が…」
「ここ俺の部屋。ていうかここ俺の屋敷」
「…はい……」
「俺の発言には絶対でしょ、獄寺くん?」
「あのでも、」
「まだ何か」
「………ッ!すみません…!」
びくーと泣き出しそうな表情で、なんでもありませんっ、と首を振る。必死なのか首を振りすぎなのか顔が青い。
「よし。いいコだね」
今度はにっこりとなるべく優しく。
「甘えて良いんだよ」
「……ぇ」
「昔のように皆で楽しく過ごす時は無くなったからね。寂しいよね。山本も雲雀さんもハルも京子ちゃんもランボもリボーンもイーピンもフゥ太もお兄さんやディーノさんシャマルとか…獄寺くんは嫌がるかもしれないけどビアンキも、俺の母さんも、皆一緒にいて。大変だったけど楽しくて」
「はい…」
視線を落として過去を振り返りその瞳に寂しさを映し出すくせにその手は俺に伸びない。俺を必要としていない。なぁ気がついてるか、それがどれ程俺にとって悲しい事か。
振り返る過去はとても楽しくて嬉しいことがいっぱいで、その分何回も死に掛けた時期でもあったけれど。
「―――ねぇ獄寺くん」
「はい」

「寂しい?」
「いいえ」

即答こそが彼なりの否定。強さを見せる彼の弱さ。
「嘘つきだね」
「そうでもありません」
「うん、そうか」君は嘘が本当になるくらい嘘をつくのが上手くなったんだね。褒められた事じゃない。
「獄寺くん」
「はい」
「僕は寂しいよ」君が少し遠くて。
「なら傍にいてあげますよ」
その手が俺にのびた。俺に触れる。久し振りに唇を重ねて久し振りすぎて息の仕方を忘れた。

彼の嘘にもう少し付き合ってやろうかと、思った。







猛毒マリアさま  例えば7題 02.嘘を信じていたら

眠くて何書いてるのかわからなくなってきたので強制終了。再起動はまた明日。おやすみなさい!
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2007-03-15 [Thu]
題題

11日と12日と14日にぱちぱちありがとうございますだにゃー!(まだやってる)
そういやぱちぱちの絵を変更したのっていつ…?



お題提供 猛毒マリアさま  例えば七題01.君が僕のものじゃなかったら
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